第469章 ここまでだ

神崎彩は、ふっと言葉を失った。

水瀬遥人という刃を借りろ、ということか。

だが彼女にとって水瀬遥人は、刃じゃない。

そして、彼を刃に変えたくもない。

橘薫はその胸の内を察したように、宥めるように言った。

「ただの言い回しだよ。天音雫は水瀬家の人間だし、そもそも水瀬遥人のことでアヤに噛みついてきたんでしょ。なら水瀬遥人に片づけさせるのが筋じゃない?」

神崎彩は少し間を置いてから、低く頷く。

「そうね。天音雫の件は、水瀬遥人に任せるわ。私たちが潰すべき相手は天音雫じゃない。神崎武治よ」

橘薫が眉をひそめた。

「ってことは……この話、水瀬遥人には言わないの?」

神崎彩は淡々と「...

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