第484章 一人残らず狂人だらけ

宮本靖彦は、あえて一歩引いてみせた。

賭けているのだ。たとえ水瀬遥人が宮本エレナを見捨てるだけの非情さを持っていたとしても、神崎彩がこのまま引き下がるはずがない、と。

でなければ、神崎彩が自ら宮本家の別荘にまで乗り込んで、人を返せと迫ってくるはずがない。

それに、噂では水瀬遥人は神崎彩にすっかり心を奪われているという。

宮本グループに資金を入れる程度のことなど、水瀬遥人にとっては端金も同然だ。

神崎彩がどうしても宮本エレナを連れて帰ると言い張れば、水瀬遥人は折れる可能性が高い。

そうなれば、宮本靖彦の狙いは達成される。

彼もまた、賭けていた。

その時にはもう、神崎彩は水瀬遥人...

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