第541章 ついに命の恩人に会えた

神崎彩は水瀬遥人のメッセージに返信しなかった。

栄沢幸子が予約した個室の前まで来る。扉は閉まっている。彼女はいつもの癖で、コンコンとノックした。

中から返ってきたのは、

「どうぞ!」

反射的に開けようとして、ドアノブに指を掛けた瞬間、神崎彩はぴたりと動きを止めた。

――違う。幸子の声じゃない。

間違えた?

一歩下がって部屋名を見直す。合っている。

じゃあ、中にいるのは誰?

幸子の友達? それとも、幸子はどこへ?

考えても分からない。まあいい。ノックしてしまった以上、入って確かめるしかない。

神崎彩は扉を開けた。

個室は広い。視界に飛び込んできたのは、まず一枚の衝立だっ...

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