第552章 内憂外患が激化した

西園寺百合子は焦っていた。

このところ、あちこち手を回して縁談を探してきたというのに、息子は誰ひとりとして見向きもしない。

――いや、正確に言えば「見ない」のではない。「最初から見ようともしない」のだ。

西園寺百合子は怒りで呼吸まで乱れ、声を荒らげた。

「あなた、お父様がどうしてまた慌ただしくF国へ飛んだのか分かってる? あの下衆の子の息子が結婚するのよ。結婚よ、分かる?」

吐き捨てるように続ける。

「その小娘、まだ18歳よ。大学も卒業してないのに、どうしてそんなに急いで結婚すると思う? あなたより先に子どもを作るために決まってるじゃない。先に産んで、既成事実を作るのよ」

そし...

ログインして続きを読む