第059章 公然と愛人を迎える

西園寺蓮は表情を一変させた。「何を言っているんだ?」

彼は躊躇なく彼女の手を振り払う。その瞳に宿る冷徹さは、九条莉奈を泣き出させんばかりの剣幕だった。

彼女は理不尽な扱いに唇を噛み、自分が何を間違えたのかも分からずにいた。

だが蓮は彼女に構うことなく、神崎彩の方へと歩みを進めようとする。

それを見た九条圭吾がすかさず割って入り、蓮の腕を強く掴んで声を潜めた。「蓮、少しは冷静になれ。婚約はもう整ったんだ。あの女のために、妹に恥をかかせるつもりか?」

蓮は聞く耳を持たず、冷ややかな視線を彼に向けた。「俺がいつ、彼女を娶らないと言った? お前たちが勝手に進めたことだ。俺の同意など得ていな...

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