第10章 お前を生き地獄にしてやる

彼女が、あっさり頷いただって?

あのときの彼女は魂が抜け落ちたみたいで、どん底へ転げ落ちていた。感情の反動は身体まで蝕み、重い病に倒れ、高熱で全身が痙攣して――死にかけた。そうしてようやく、痛みを飲み込んで「林田家に嫁ぐ」という、みんなを成り立たせるための選択をしたのだ。

それを、江口馨は「はっきりと答えた」と言うのか。

「わかったわ。保坂臣が事故みたいに目を覚まして、保坂家は三年前の危機も乗り越えた。今じゃ会社の評価は倍。江口信年があんな上玉の婿を手放したくないのは当然よ。だからあなたが代わりに送り込まれた。保坂臣とご両親をいいように誘導して、私には彼が目覚めたことすら知らせない。説...

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