第116章 通報

江口式はここ最近、やけに眠気が強い。今朝も起きたのは遅かった。

電話に出たとき、彼女はまだ会社へ向かう途中で車を走らせていた。

介護スタッフの言葉を耳にした瞬間、江口式は反射的にブレーキを踏み、路肩へ寄せて停車する。

「……どういうこと?」

「さっき、江口馨って名乗る女の人が来て……奥様の外祖母さまを殴って、外祖父さまを怒らせて吐血させました……」

介護スタッフは言い淀み、すぐに言い直すように急かした。

「とにかく、早く来てください」

頭の奥が「ぶん」と鳴った。

江口式はアクセルを踏み込み、最速で病院へ向かう。

感情が暴れそうになるのを何度も押し殺し、無理やり冷静になろうと...

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