第125章 彼はあなたのために

林田景司は唇をきゅっと結び、珍しく丁寧に言葉を選んだ。

「江口信年には商才がない。林田家の後ろ盾がなければ、江口家の事業は全部守りきれない。カエデヤマ・リゾートだって、あいつの手に任せておけば、いずれ潰される」

その意見に、夏川媛も頷いた。

彼女から見れば、これまで江口信年の会社を回していたのは、ほとんど周防雲の腕だった。

周防雲が亡くなってからは、江口信年は彼が残した人脈と資産にしがみついて延命していただけで、結局は元の基盤を食い潰し、林田家の支えなしには立っていられなくなった。

夏川媛が尋ねる。

「じゃあ……カエデヤマ・リゾートを守るため?」

林田景司は黙ったまま、否定しな...

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