第129章 江口信年の懇願

古川承一は丁寧に言った。

「俺も彼と話をした。プロジェクトの中核となる設計と、全体の実行フレームはもう固まって、実際に動き始めてる。別で統括担当も立てるから、江口式は横で連携の窓口をやって、要所のディテールだけ押さえてくれればいい。それなら回る」

それなら、江口式が割く時間はほんのわずかで済む。

「由紀から聞いた。最近、体調がよくないんだろ。武井には俺がもう返事しておいた」

古川承一と武井鳴の善意はわかっている。江口式はそれ以上何も言わず、礼を言って受け入れた。

抱えていた案件が一つ減ったぶん、休める時間が増える。

古川承一が続けて尋ねる。

「四日後の年次サミットは、出られそう...

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