第137章 誰の子ども?

後藤由紀は言葉を慎重に選び、結局口にはしなかった。だが江口式は察していた。林田秋実に、妊娠を見抜かれるのが怖いのだ。

「私も、あの子が急にどうして助けてくれたのかはわからない。でも……たぶん気づいてないと思う。まだ小さいし、そういうのはわからないでしょ」

「だよね。気まぐれだったのかも」

後藤由紀は濡れた紙ナプキンと、林田秋実にもらったポケットティッシュをまとめてゴミ箱へ捨てた。

「大丈夫? さっき顔色が変だったから追いかけてきたんだよ。やっぱり、また気分悪くなってた」

「平気」

江口式は彼女の腕にそっと絡める。

「戻ろう」

二人の足音が遠ざかったあと、松本寧音がトイレの個室...

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