第14章 江口式、死にたいのか

江口式は胸の内でそっと息を吐き、踵を返して部屋を出た。

ようやく騒ぎが収まったのを見計らい、夏川媛があれこれ宥めすかしてお婆さんを外へ送り出す。室内に残ったのは、林田秋実と林田景司だけだった。

林田景司はベッド脇に立ち、寝台の上の人間を厳しい眼差しで見下ろす。林田秋実の瞳の奥をかすめた、あの小狡い光も見逃さない。

「……どういうことだ。正直に言え」

唇を結び、長兄の威圧をそのまま落とす。林田秋実は視線を合わせられず、肩がすくんだ。

もともと兄には頭が上がらない。見透かされたと悟るや、彼女は歯を見せてへらっと笑い、あっさり白状した。

「本当は江口式に電話してさ、勝手に辞めてもらおう...

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