第145章 子供は誰のものか

「……まだ、はっきりとは」

林田景司がそう言い終えるより早く、救急処置室の扉が開いた。

医師が出てきて、保坂臣へ視線を向ける。

「ご家族の方ですか?」

保坂臣は林田景司を一瞥してから、頷いた。

「はい」

「流産しかけた兆候はあります。ただ、お子さんは助かりました。外傷は目立ちませんが、詳しい検査結果はまだ出ていません。いま意識は戻っています。少ししたら出てきますよ」

――子どもは助かった。

その言葉に、保坂臣の胸の奥では失望が広がった。けれど表情は、それと正反対にぱっと明るくなる。

「ありがとうございます! 子どもを守ってくださって、本当にありがとうございます!」

両手を...

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