第146章 通報

後藤由紀は力いっぱい保坂臣を突き飛ばし、後ずさりさせた。江口式に聞かせたくなくて、声をぐっと落として言い放つ。

「早く行って! 式ちゃんの邪魔しないで!」

「傷つけたりしない」

保坂臣は必死に説得しようとする。

「おまえにはわからない。俺は……まだ式を愛してるんだ」

「はっ!」

後藤由紀は唾でも吐きかけたい顔で睨みつけた。

「江口式に何したか、全部知ってる。そんな台詞、聞いてるだけで吐き気がする!」

保坂臣は口元の傷を指でなぞり、後ろめたそうに視線を落とす。

「認める。俺は……式に土下座させた。でも俺も式に土下座した。これでチャラだろ。ほかのことは……償う」

顔を上げた保...

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