第147章 彼は悲しんでいるのか?

「私が着いたときには、林田景司と松本寧音、それから保坂臣も、もう来てたの。どうやって知ったのかは、私にもわからない」

後藤由紀は記憶をたどるように言った。

「景司には否定したよ。式ちゃんと保坂臣は付き合ってないって。でも景司が『子どもは俺のか』って聞いてきて……私、答えられなかった」

江口式は理解した。

林田景司に知られたくない。だから後藤由紀も、言えるはずがない。

「それで?」

「それで、保坂臣が景司を煽ったの。『三年も奥さんを妊娠させられなかったくせに、俺は一緒になってすぐ授かった。おまえ、不能なんじゃないの』って」

後藤由紀は一拍置き、江口式の表情をうかがいながら慎重に続...

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