第154章 いったいどれだけ誤解してきたのだろう

「大丈夫。いったん切る。介護人の手配はこっちでやる」

「いいえ……」松本寧音は言い直した。「ひとまず、うちの家政婦にお願いする。母の世話も私の世話もしてるから、きっと負担になる。でも……今は、あの人に少し無理をしてもらうしかないの」

「……わかった」

林田景司はそれ以上は押さず、通話を切った。

その場にしばらく立ち尽くしたまま、病院の正面入口を見つめる。考え込む時間は長かった。だが結局、彼は車へ向かった。

車内は暖房が効いている。

助手席の秘書はうとうとしていたが、林田景司が乗り込む気配に、慌てて背筋を伸ばした。

「林田社長、どちらへ?」

「本家へ」

言い終えた瞬間、林田景...

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