第18章 料理だけは上手

夏川媛はそこで、さらに念を押すように言った。

「でもね、一つだけ。式ちゃん、お薬のことは私の言うとおりにして。今すぐ子どもを作らないとしても、あなた自身のために体は大事にしなきゃだめよ」

江口式はわかっていた。

もともと体が弱い。生理のたびに腹の奥を刃物で割られるような痛みに襲われる。だから苦い薬が嫌いでも、吐き気をこらえながら、どんぶり一杯の漢方を何杯も飲み下してきた。

子どものためでもあり、自分のためでもある。

ただ――自分が飲んでいた薬に効き目がなかったのは、別のものが混ぜられていたからだなんて、思いもしなかった。

今は家を出た。少なくとも、薬に何かを盛られる心配はない。

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