第27章 患者の夫は誰だ?

「しん……びっくりした。江口式が、あたしの乗ってたタクシーに突っ込んでくるなんて……」

江口馨は保坂臣の肩に身を預け、甘えるように身を寄せた。今にも倒れそうなほどか細い。

保坂臣は彼女の腰を抱き、やわらかな声でなだめる。

「まだ詳しいことはわからない。心配するな。……君が江口式のことで不安になるのが怖くて、すぐ駆けつけたんだ」

江口馨はこれまで何度も、保坂臣に「江口式と仲直りしたい」と口にしてきた。保坂臣に頼んで江口式を婚約式へ招いたのも、そのためだと言っていた。

――私が姉と和解したがってるから。私が心配するのが怖かったから。だから来た?

笑わせないで。

彼女は姉の身を案じる...

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