第48章 使い終わったら捨てる

「鏡でも見てこい。そんな顔で祖父に会わせる気なら、捨ててもいい」

林田景司は車線の流れを追いながら言い放った。顎のラインはきつく張り、声に体温がない。

江口式はそこでようやく、これが自分のために買ってきたものなのだと信じた。

鏡を見なくてもわかる。今の自分の顔色は、きっとひどい。

低血糖だと見抜いて、これを――。

でも、どうして突然そんなふうに気を回すのか。

形だけ取り繕うにしても、わざわざ買いに行くほど?

江口式には理解できなかった。

ただ、眩暈がひどすぎて考える余裕がない。もう推測はやめた。

松本寧音に「気遣い」というものを叩き込まれて、少しは人を労るようになったのだろ...

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