第77章 彼女は気を失った

松本寧音はタケイ・テクを出るなり、真っ先に林田景司へ結果を報告しに向かった。

ちょうど進藤林も仕事の相談で来ており、林田景司の執務室にいた。

「景司、武井社長が企画案をすごく気に入ったって。たぶん、すぐ契約書が届くと思う」

寧音の声は弾んでいた。

だが林田景司は、そこまで楽観していない。

「結果が出てからだ。相手は古川承一だぞ」

「でも、帰り際にちょうどYTのチームと鉢合わせしたんです。古川承一は来てませんでした」

寧音は景司の顔を見て、さらに言葉を足す。

「見かけたのは江口式と、あと何人かのエンジニアだけでした」

もし古川承一が責任者なら、顔を出さない理由がない。

「江...

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