第78章 林田景司は誰を選ぶのか

39度の高熱があるのに家で休みもしないで、午前はタケイ・テクへ行って、午後はまた病院に来るなんて……。

この女、自分の体を大事にする気がないのか?

そこまで無理をして、いったい何が欲しい?

スマホの着信音がしばらく鳴り続けて、ようやく林田景司は我に返った。

画面には松本寧音の名前。景司はスマホを耳に当てる。

「景司、つらい……」

泣き出しそうな声。今にも壊れてしまいそうなほど弱々しい。

「お母さんの薬を取りに病院へ来たんだけど、入口のところで急に目眩がして、立てなくなっちゃって……怖いの」

景司は江口式から視線を外し、踵を返して早足で廊下へ出た。

「俺、今病院にいる。すぐ行...

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