第81章 林田景司、愛に溺れる

今回の手術は、あくまで症状を一時的に抑えるだけ。根本的には、できるだけ早く開胸手術を受けなければならない。

だが、そんな超高難度の手術を任せられる医師を見つけるのは、そう簡単な話ではなかった。

医師が去ったあと、後藤由紀は冷ややかに林田景司を見据えた。

「さっき聞こえたわ。離婚してから外祖父の手術を手配するつもりで話してたでしょう。林田景司、調子に乗らないで」

林田景司は瞳の温度を落とし、黙って彼女を見返す。続きを待つように。

後藤由紀は半歩詰め、声をぐっと落とした。

「たしかに昔は、式ちゃんはあなたのことが大好きだった。でも今はもう違う。あなたに縋りついたりしない。だから、わざ...

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