第83章 もし本当にわかってるなら、俺が土下座してやる

クラブの個室。

林田景司は本革のソファに深く身を預け、脚を組んでいた。

立田徳の話を聞き終えると、数秒の沈黙。最後に落としたのは、ただ一言。

「わかった」

通話を切り、スマホをテーブルに置く。林田景司はグラスを持ち上げ、ひと口だけ含んだ。

アルコールの刺激に、眉がわずかに寄る。

隣に座る松本寧音は、着信が立田徳からだったのを見ていた。

「仕事で何かあったの?」

進藤林も身を乗り出す。

「どうした?」

林田景司はグラスを揺らしながら、淡々と口を開く。

「立田徳が言ってた。YTとタケイ・テクが組んでるあの案件……江口式が主担当だと」

「江口式?」

進藤林が声を裏返し、反...

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