第102章

竹内結菜は、ここに閉じ込められて四日目だった。

「閉じ込める」と言っても、鍵が掛かっているわけじゃない。外から掛け金をされ、窓は板で塞がれ、雲雀家の旧宅――裏庭のいちばん奥、いちばん人目につかない一室に押し込められているだけ。

松井誠美が選んだ場所は母屋から遠い。使用人も普段は寄りつかず、防音も利く。

この件を、松井誠美は雲雀京介に一度も話していなかった。

息子の性格を、彼女は骨の髄まで知っている。

雲雀京介は、心を鬼にすることはできても、体裁だけは捨てきれない男だ。

竹内結菜が目の前で泣けば、情にほだされるとは限らない。だが、必ず迷う。

迷いさえすればいい。

迷いは、竹内結...

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