第109章

病室のドアを押し開けると、雲雀明山がベッドに横たわっていた。

目を閉じたまま、呼吸は浅い。

香椎早希は歩み寄り、果物をサイドテーブルに置くと、ベッド脇の椅子に腰を下ろした。

そっと手を伸ばし、雲雀明山の掛け布団の端を整える。

彼女は病室で二十分、座っていた。

その間に看護師が一度入ってきて、薬の交換をした。

香椎早希は終始それを見守り、ときおり体調について二言三言だけ確認する。

二十分後。香椎早希はバッグを手に立ち上がり、病室を出た。

廊下に出ると、そのまま隣の非常階段へと折れる。

薄暗い踊り場。

雲雀嘉悠が手すりにもたれ、火のついていない煙草をくわえていた。

香椎...

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