第117章

それから数日――雲雀京介は、何日も続けて家に帰ってこなかった。

けれど香椎早希は、追及しなかった。

家の中を隅々まで整え、決まった時間に食事をして、本を読む。

ただそれだけの毎日。

静けさが、心地よかった。

目の前で誰かが芝居を打つこともない。

自分がそれに合わせて、笑ってやる必要もない。

そんなある日の午前。書斎で契約書に目を通していると、スマホが鳴った。

表示されたのは、見覚えのない固定電話の番号。

「もしもし。雲雀京介さんのご家族の方でいらっしゃいますか」

「私です」

「センター病院のICUです。ご連絡いたします。雲雀明山さんが本日午前4時に意識を回復されました。...

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