第127章

香椎早希が会社を出た頃には、空はもう薄暗くなっていた。

会議は丸一日。企画案は三度も練り直し、ようやく決まったときには、もう六時近かった。

ひと息ついて帰ろうとしたところで、部下から聞かされた。

雲雀京介は今日、一日中会社に姿を見せていない、と。

――一日中?

そう聞いても、香椎早希は驚かなかった。

彼なら、そうする。

家の中で「いい夫」を演じるのだって、きっと疲れるだろうし。

車で帰宅すると、邸宅の外は真っ暗で、道が分かる程度の灯りだけがぽつぽつと点いていた。

ガレージに車を入れ、バッグを提げて玄関をくぐる。

家の中は静まり返っている。夕食は家政婦が作り置きし、もう帰っ...

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