第128章

香椎早希は指先を上げ、鎖骨の少し上に触れた。そこには、ひやりと冷たいブルーサファイア。

その冷たさが指先から胸の奥へ、じわりと染み込んでくる。

彼女は雲雀京介の目を見て、唇の端をふわりと持ち上げた。

「ありがとう。すごく綺麗」

その笑みを見た瞬間、雲雀京介の一日中張り詰めていた糸が、ようやくぷつりとほどけた。

ほら、やっぱりそうだ。

姿勢を低くして、十分な優しさと埋め合わせを差し出せば、香椎早希はいつだって許してくれる。

彼は慣れた手つきで彼女の髪を整え、いつもの柔らかな声で言う。

「今日は会社で一日中忙しかっただろ。早く寝な」

香椎早希は頷いた。

「うん。あなたもね」

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