第131章

木曜の午後。香椎早希はいつもより早く会社を出ると、車を走らせて病院へ向かった。

このところ雲雀京介は社内で立て込んでいて、早希はほとんど二日に一度のペースで顔を出している。雲雀明山の好きなものを少し買って、しばらく座って、そして帰る――それだけだ。

雲雀明山がすでに雲雀京介に失望しているのなら、その失望は、もう少し大きくしてやればいい。

エレベーターが十二階に着く。VIP病棟はしんと静まり返り、廊下には絨毯が敷かれ、ナースステーションの灯りだけが淡く点っていた。

早希は果物の袋を提げ、角を曲がったところで、VIP個室から出てきた人物と鉢合わせた。

雲雀嘉悠。

黒のカジュアルスーツ...

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