第132章

雲雀京介は執務室の椅子に沈み、目の前のモニターを眺めていた。画面は点いたままなのに、もう五分も、文字が一行たりとも頭に入ってこない。

コンコン、と二度。秘書が入ってきた。

「雲雀社長。経理部の松井山尾ですが、本日付で事業開発部へ正式に異動となりました」

雲雀京介が、ばっと顔を上げる。瞳の奥に冷気が張りついた。

松井山尾は、去年わざわざ高い金を積んで外から引き抜いた人材だ。仕事は堅実、口も堅い。経理に置いたのは、彼にとっての要だった。

「……誰が通した」

「人事の話では、嘉悠様のご意向だそうです。グループ本部の異動命令扱いで、こちらの決裁は経ていません」

雲雀京介は何も言わな...

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