第133章

香椎早希は八神煉とのトーク画面を開いた。届いていたのは、暗号化されたファイルが三つ。

中身に何が隠されているのか知っているのは、彼女と八神煉だけだ。

指先で画面を軽く叩き、パスワードを入力する。

解凍が終わり、ファイルが開いた瞬間――視線が中の書類を素早くなぞった。株式の名義貸しに関する契約書、そして海外口座の入出金履歴。

やっぱり。

雲雀京介が社内に仕込んでいた裏の線は、八神煉に掘り起こされていた。

香椎早希は手慣れた動きで三つのファイルをすべて暗号化アルバムへ移し、トーク履歴を消去する。

作業を終えると、ベッドヘッドに背を預け、目を閉じて浅く息を吐いた。

――まだ、切る札...

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