第134章

スマホがぶるりと震えた。

手に取って画面を見ると、秘書からのメッセージだ。

【香椎さん、荷物は発送しました】

香椎早希は一瞥して「うん」とだけ返し、スマホを伏せた。

同じ頃――郊外の別荘。

竹内結菜はシルクのルームウェア姿でソファにもたれ、掲示板を流し読みしていた。妊娠五か月。下腹はもう、はっきりと丸みを帯びている。

これが今の彼女の唯一の拠り所であり、雲雀家の門をくぐるための、たった一枚の入場券だった。

そのとき、ピンポーン、とチャイムが鳴った。

家政婦が出て、すぐに封筒を持って戻ってくる。

「竹内さん、あなた宛ての宅配です。同じ市内からみたいですけど、差出人が書かれてな...

ログインして続きを読む