第140章

香椎早希は会社で企画書の初稿を詰めている最中、旧宅に置いている使用人からメッセージを受け取った。

ずっと意識がはっきりしなかった雲雀明山が、さっき少しだけ目を覚ましたという。

知らせを聞きつけた雲雀家の人間が、次々と旧宅へ向かっているとも。

香椎早希は画面の文面を二秒だけ見つめ、すぐに履歴を削除した。

そのままノートパソコンを閉じ、椅子の背に掛けていたコートとハンドバッグを掴むと、足早にオフィスを出る。

雲雀明山は死なせない。少なくとも、今は。

雲雀グループの核はあの男だ。彼が生きている限り、早希の手元にある駒は最大限に効く。

数か月かけて仕込んだ持株の組み替えも、本人が意識を...

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