第156章

香椎早希が階段の踊り場まで来たとき、背後から雲雀京介が慌てて追いすがってきた。

「早希、聞いてくれ。説明させてくれ」

掠れた声は焦りに震え、昨夜の酒がまだ抜けきらない濁りを含んでいる。

香椎早希は足を止め、振り返ると、静かに言葉を切った。

「声、抑えて」

一瞬、雲雀京介は意味が飲み込めず、言い募ろうと口を開く。

だが香椎早希は淡々と釘を刺した。

「家中に聞かせたいの? あなたが彼女と一晩寝たって」

その一言で、雲雀京介の言葉は喉の奥で詰まり、呼吸が浅くなる。

香椎早希は彼を見ず、階下へ視線を走らせた。原田さんの部屋の扉はまだ閉まったまま。キッチンも、もう物音がしない。

「...

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