第18章

その言葉を聞いた瞬間、雲雀京介はようやく胸の奥の息を吐き出した。

張り詰めていた表情が、目に見えてほどけていく。

彼はベッドの縁に腰を下ろし、気遣うように香椎早希の掛け布団の端を整えると、そのまま向きを変えて、早希に水を持ってこようとした。

コップを手に取ったところで――肝心のポットが見当たらない。

「雲雀社長、これを探してる?」

不意に八神煉の声が落ちた。彼は自分の手元、キャビネットの上に置かれたティーポットを指さす。

雲雀京介の動きが、ぴたりと止まる。瞳の奥を、敵意がさっとかすめた。

彼は近づこうとせず、視線だけを香椎早希に落とした。言葉にしなくても分かるほどの所有欲が、静...

ログインして続きを読む