第184章

香椎早希の言葉が落ちた瞬間、場の空気がぴたりと固まった。

だが松井誠美は、どこにも違和感を覚えなかった。香椎早希が怯んだのだとしか思わない。

ソファの肘掛けに手をつき、ゆっくりと立ち上がる。背筋を不自然なほど真っすぐに伸ばし、いつもの見下ろすような口調で言った。

「香椎早希。これが誤解を招く写真だって分かってるなら、最初から言動に気をつけるべきでしょう」

「雲雀家の嫁はね、一挙手一投足が雲雀家の顔になるの。外の男とあまりに近い距離でいるなんて……京介がどう思うか以前に、私が見過ごせるわけがないわ」

一拍置いて、誠美は言い切る。

「この件は、京介と雲雀家に、きちんと説明しなさい」

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