第198章

全員の視線が、いっせいに玄関へ吸い寄せられた。

そこに立っていたのは竹内海だった。コートは前をはだけたまま、襟元も大きく開いていて、日に焼けて赤くなった肌がのぞいている。

まるでどこかの現場から、そのまま駆けてきたみたいだった。ズボンの裾には泥が跳ね、乾きかけた汚れが膝から足首までまだらに散っている。足元は灰色にくすんだスニーカー。片方の靴ひもがほどけて床を引きずり、磨き上げられた大理石に、ぼんやり半分だけ足跡を残していた。

胸が大きく上下し、荒い息が漏れる。額には汗の膜が張りつき、濡れた前髪が何本か、額にぺたりと貼りついていた。

けれど、その目だけは異様に明るい。客間の中の誰かを、...

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