第48章

竹内結菜はそれを聞くと、瞳の奥にぱっと笑みを咲かせた。

「本当? よかった、京介」

抱きつこうとした竹内結菜の腕を、雲雀京介は立ち上がる動きで自然にすり抜ける。

彼は二階の寝室のほうを一度だけ見上げ、息を沈めると、そのまま踵を返して階段を上がった。

寝室のドアを押し開けると、香椎早希はベッドのヘッドボードにもたれ、本を読んでいた。

物音に気づいて顔を上げる。口元に、薄い笑み。

「お昼、できた?」

「まだ」

雲雀京介はベッド脇まで歩いていく。目を合わせられず、視線を落としたまま言った。

「早希……会社で急ぎの案件が入った。L市だ。俺、行かなきゃならない」

香椎早希の笑みが一...

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