第51章

「家族?」

見物人の中から、ふいに嘲るような笑いが漏れた。

「よくもまあ、自分が旦那だなんて言えたもんだな」

「ほんとそれ。奥さんがひどい目に遭ってるのに助けにも来ないで、不倫相手と買い物してたくせに、どの面下げてって感じ」

「さっき、はっきり見てたよ。あの人が電話した時、この人ぜんぜん出なかったじゃん。駆けつけて助けたの、隣にいたあの人のほうだし」

容赦のないざわめきが、波みたいに雲雀京介へ押し寄せる。今にもそのまま呑み込まれてしまいそうだった。

雲雀京介の顔色は見る間に悪くなった。何度も口を開きかける。けれど、ひと言だって言い返せない。

どれもこれも、事実だったからだ。

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