第52章

雲雀京介は病室で一晩中つき添っていた。

香椎早希の眠りは浅く、身じろぎするたびに傷が引きつれて、どうしようもなく痛むのだろう。寝息さえ、どこか落ち着かない。

ベッド脇の椅子に腰掛けた京介は、彼女の額に残る青紫のあざを見つめた。胸の奥に、石でも押し込まれたみたいに重たいものが居座る。

掛け布団を直してやろうと手を伸ばし、指先が布の端に触れた瞬間――早希が目を開けた。

一秒だけ京介を見て、すぐに顔を背ける。壁のほうへ。

京介の手が宙で固まり、やがて、ぎこちなく引っ込められた。

午前三時。スマホの画面が暗闇でぱっと光る。

竹内結菜からのメッセージが、立て続けに跳ねた。

【京介、どこ...

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