第64章

チャリティガラの会場は、グラスが触れ合う澄んだ音と笑い声で満ちていた。

ミナスは名こそ売れ始めたが、国内で本格的に広げるには販路がすべてだ。今夜集まっているのは、国内でも指折りのラグジュアリーブランド系チャネル代理店の面々。

香椎早希は森田悠馬を伴い、狙いの人物たちの輪を縫うように立ち回っていた。

「高橋社長。お噂はかねがね」

香椎早希はグラスを軽く掲げ、完璧な営業用の笑みを貼りつける。

高橋社長と呼ばれた男は細い目をいやらしく動かし、彼女を頭の先からつま先まで値踏みするように眺めたあと、含みのある笑いをこぼした。

「ミナスの香椎さんか。若いのにやるじゃないか。あのショー、見たよ...

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