第67章

東区で開かれた業界内向けのレセプション。各界の大物が一堂に会していた。

クリスタルのシャンデリアが眩い光を反射し、香水と整えられた髪が揺れる人波のあいだを、金と権力の匂いがぬめるように流れていく。

香椎早希は雲雀京介の腕にそっと手を絡め、ホール入口に姿を現した。

マーメイドラインのロングドレスが、しなやかな曲線をきれいに縁取り、唇にはいつも通りの柔らかな微笑。上品で、隙がない。

雲雀京介は仕立てのいい黒のスーツ。端正で、穏やかな色気をまとっている。

「緊張しなくていい。ここにいる連中は、これから少しずつ顔を覚えていけばいいんだ」

彼は横顔を寄せ、耳元で囁いた。優しい声。まるで、ふ...

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