第77章

香椎早希はココナッツを置き、こてんと首を傾げた。

「大したことじゃないよ。会社の人たちで片づくから」

雲雀京介が探りを入れているのは分かっている。だからこそ、ちょうどいい程度に気の抜けた口調を作った。

竹内結菜の会社に関する最新の動きは、スマホで細部まで追っている。けれど今の自分に必要なのは、何も知らないバカンス客を演じることだけ。

答えを得た雲雀京介は彼女の隣に腰を下ろし、風に乱れた髪を自然な仕草で指先で払ってやる。

「そういえばさ。前に聞いたんだけど」

雑談みたいに軽い声で、彼は続けた。

「企画をパクったって疑われてたあの会社、破産手続きに入ったって。強制的に、って話もある...

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