第79章

香椎早希は、高橋健明に竹内結菜との協業を断らせなかった。

――むしろ、乗れと指示した。

本来なら、竹内結菜の会社を潰してしまえばそれで終わりだった。

けれど、向こうから差し出してきた好機だ。少し手間が増えるくらい、どうということはない。

【高橋社長、奥さまって気性どうです?】

送信して数秒で、高橋健明から「?」が返ってきた。

香椎早希は指を走らせ、前後関係を整理して、淡々と説明を打ち込む。

――それから、きっかり二分。

【香椎さん……その頭、参りました】

香椎早希はくすりと笑い、追い打ちをもう一つ。

【大事なこと。竹内結菜は妊娠中です。必ず先に伝えて。顔は跡が残ってもいい...

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