第84章

その頃――郊外へ伸びる道路では、数台のパトカーが、夜陰に紛れて逃走を図った誘拐犯を追い詰めていた。

サイレンが切り裂くように響き、車体がふらつく。逃げ場を塞がれ、ついに路肩へ追い込まれた。

ドアが開いた瞬間、男たちは状況を飲み込む暇すらなく取り押さえられる。

――この一連は、八神煉の協力があってこそだった。

犯人側の口座情報を提供しただけじゃない。逃走ルートまで、まるで見てきたかのように言い当てたのだ。

警察署。

香椎早希は調書を取り終え、取調室のドアを押し開けた途端、全身の力が抜けた。骨の芯まで疲れ切っている。

ふらりと顔を上げた、そのとき。

廊下の突き当たりに立つ三人の姿...

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