第92章

「これは取締役会の決定だ。会社の将来がかかっている。顧問のお前が拒むなんて、許されると思うな」

「それにな――お前が自分の手で捨てた提携だ。拾い直すのも、自分の手でやるのが筋だろ?」

雲雀京介は両腕を脇に垂らしたまま、拳をぎゅっと握り締めた。力が入りすぎて、指の関節が白くなる。

冷たく鋭い視線で、雲雀誠也を射抜く。目の前の得意げな顔を、今すぐにでも切り刻んでやりたい。そう言わんばかりの目だった。

それでも、京介は何も言わなかった。

雲雀誠也の嘲るような視線を浴びながら、京介は無言で歩み寄り、机の上に置かれた提携案件のファイルを掴むと、そのまま踵を返した。

そして、本来なら自分のも...

ログインして続きを読む