第100章

同じ頃、VIP個室。

知代は柔らかな枕にもたれ、顔色こそまだ青いものの、目の光は思いのほかしっかりしていた。ベッド脇には冬月正明が腰を下ろし、りんごの皮を薄く剥いている。口元には、作り物みたいに優しい笑み。

「今回は本当に神様のおかげね」

知代は腰のあたりをそっと撫で、しみじみと言った。

「どこの親切な人が腎臓を提供してくれたのか知らないけど、適合率がこんなに高いなんて。正明、ちゃんとお礼しなさいよ。相手のご家族にも、多めに包んで」

冬月正明の手がぴくりと震え、刃先が指に触れかけた。

「そ……そうだな。あとで人に手配させるよ」

乾いた笑い。視線は泳ぐ。

そのとき、ドアが開いた...

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