第104章

病棟ビルの外。

絵里奈がエレベーターを出た瞬間、力のある大きな手が手首を掴んだ。

「来い」

頭上から落ちてきた真琴の声は、拒否を許さない硬さを帯びていた。

絵里奈が状況を飲み込むより早く、彼は彼女を引きずるようにして病院のロビーから連れ出した。

「真琴……私、病室に戻らないと……」

絵里奈は抵抗しながらも、傷口の痛みに顔を歪める。歩くたび、喉の奥から悲鳴が漏れそうだった。

「点滴も……まだ……」

「点滴?」

真琴は車のドアを乱暴に開けると、助手席へ彼女を押し込んだ。

「知代を怒らせる元気があって、病室で母さんを脅す元気があるなら、治療なんて要らないだろ」

バン!

ドア...

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