第113章

「結構です」

横から伸びてきた手が、水の入ったコップをすっと奪い取った。

理亜は病床の前に立ちはだかり、表情を硬くする。

「面会時間は終了です。今の絵里奈さんは刺激に耐えられません」

「私はこの子のお姉ちゃんよ!」瑠璃が甲高い声を張り上げた。「私がどれだけ居ようが、あんたに関係ないでしょ!」

「冬月さんのご指示です。医師以外は、絵里奈さんに勝手に近づかせない」

理亜はベッドの前を死守した。掌は汗で濡れているのに、足は一歩も退かない。

瑠璃は鼻で笑い、理亜の肩越しに視線を滑らせる。

ベッドの上の絵里奈は、相変わらず微動だにしない。周囲の言い争いなど、まるで別世界の出来事みたいに...

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