第119章

深夜二時。

絵里奈はすでに身支度を終え、ベッドに潜り込んでいた。

今日は疲れすぎた。脚の痛みもひどく、薬を飲むとすぐ昏々と眠りに落ちた。

ドアが音もなく押し開けられる。

真琴が、濃いグレーのガウン姿で入ってくる。髪は半乾きで、湯上がりの澄んだ匂いに、まだ抜けきらない酒気が混じっていた。

裸足のまま絨毯を踏み、ベッドの脇へ。

枕元の灯りは、かすかに落としてある。

絵里奈は横向きに身を丸めていた。守るもののない生き物みたいに、ひどく心許ない寝姿。

眠っているのに眉間は固く寄り、手の中には――智哉から渡された名刺が握りしめられている。

真琴の視線が、その名刺に落ちた。

他の男の...

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