第123章

深夜。

豪雨は止む気配どころか、いっそう激しさを増していた。稲光が、間髪入れずに夜空を裂く。

ドォン!!

頭上で炸裂した雷鳴に、家全体がびりりと震えた気がした。

客間の大きなベッド。眠っていた絵里奈が、跳ね起きるように上体を起こす。心臓が乱暴に脈打ち、喉の奥がひゅっと鳴った。

雷――。

大きい。あまりにも。

その音を合図に、脳裏へ一気に映像が雪崩れ込む。

何年も前の、夏の夜。今日と同じ雷雨。

いつも柔らかく笑っていたお姉ちゃんが、布団の中で小さく震えながら、絵里奈の腕にしがみついて泣きそうな声で言った。

「絵里奈、こわい……雷、こわいよ……」

佳奈お姉ちゃんは雷が苦手だ...

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